超音波式ゴムカッティングナイフ
ゴム切断における問題点
従来のゴム切断技術では、切断時にゴムに潤滑を施す必要があり、遅い切断速度、大きな切断面から発生する大量の粉塵や破片、不均一な切断エッジ、およびブレードへの付着といった課題があります。多くの企業が今なお手作業による従来の方法で切断を行っており、これは生産性の要件を満たさないだけでなく、作業者にとって安全上の危険も伴います。
ゴム製品においては、熱切断と比較して冷切断の方が適しています。冷切断には、発熱が少なく、熱変形が最小限に抑えられ、切断プロセスでの粉塵発生が減少し、切断面が高温によって劣化したり亀裂が入ったりしないという利点があります。超音波式ゴム切断技術は冷切断に分類され、超音波エネルギーを利用して切断対象のゴムを局所的に加熱・溶融させることで素材を分離する仕組みです。
従来の切断原理
伝統的な切断方法は、鋭い刃を持つ工具を使用して素材に非常に高い圧力を集中させることにより、分子結合を引き離して切断を行います。圧力が素材のせん断強度を超えると、切断が実現されます。この方法では強い圧力によって素材を無理やり引き離すため、工具の刃先が非常に鋭くなければならず、素材自身も大きな圧力を耐えられなければなりません。したがって、柔らかく弾力性のある素材や、さらに粘着性のある素材には効果的ではありません。